テクノロジー・ウォッチング?ハイテク社会をフィールドワークするD.A. ノーマン, D.A. Norman, 岡本 明, 藤田 克彦, 佐伯 胖, 八木 大彦, 嶋田 敦夫





堅そうな感じの本ですが、そんなことありませんでした。
普通に楽しめるなかなかよい本だと思いました。
ノーマン先生の本は「誰のためのデザイン??認知科学者のデザイン原論」という本があり、これは高かったのですが買って読みました。この「誰の…」の中では、いかに使いにくい、わかりにくいデザインのものがあるか、どうすれば使いやすく、わかりやすくなるのか、ということを、認知科学者という立場から書いた本でした。と、このように書くと、なんだか難しそうな本かと思いますが、そんなこともなく、「なるほどね〜」と思わせてくれることが書かれていた本だったと記憶しています。(記憶しています…というのは、ずいぶん昔に読んだので、はっきりとは覚えていなかったりする…(^_^; でも、この本で書かれていた「アフォーダンス」という考えはよく覚えています)
で、この本なのですが、「誰の…」に書かれていたような、デザインの話も書かれていますが、この本ではもっと幅広く、飛行機のコックピットの話や、車のウィンカーの話などから、科学的なものの考え方などなど、いろいろな話がエッセイとしてまとめられています。
私が印象に残ったもののひとつに、こんなものがありました。ヘンリー・ペトロスキーという学者が、
カバーは、40冊につき1冊分のスペースを無駄にしている。つまり、百万冊所蔵の図書館は2万5千冊のスペースを無駄にしていることになる。
という説を書いているということで、ノーマン先生が検証します。ノーマン先生は「科学的な考え方」として「1.他人の計算をチェックする、2.結論に対して懐疑的になる、3.結論を実際の場で確認せよ」ということ説明、実際にこの手順で真相に迫ります。また、「最近の研究によって、おそらく人間は自分の脳が持っているパワーを1%の10分の1も使っていない」という話に対する考察なども非常に興味深いものでした。
そんな中で心に残ったのは、
わかりやすく使いやすいとわかるデザインをする際の問題は、他人が理解でき読みやすいと感じる文章を書く際と同じだ
という話。なるほど。確かにそうだなぁ…と。そして、いくら趣味のブログとは言え、こうして文章を書いている以上、やはり読みやすいと思ってもらえるような文章を書かねば…と、思ってしまいました。
難点を言えば、価格が高いのと、すでに10年くらい前の本なので、一部「そんなことは…」みたいなところもあることでしょうか。なので、図書館などで見つけて読んでいただければと思います。
ノーマン先生というと、実はこれではなく読みたいと思っている本があります。それがこれ。
Emotional Design: Why We Love (Or Hate) Everyday ThingsDonald A. Norman






Amazonの説明を引用させていただくと、
高級グラスで飲むと、安いワインでも美味しい。どうしてなのか、不思議に思ったことは? カラフルなiMacが発売されたときに、Mac人気が沸騰したのはなぜ? 感情と認識に関する最新研究により、魅力的な品々は実際に使用効果を高めることが明らかになった。ドナルド・A・ノーマンの名著『The Design of Everyday Things』のファンには、見逃せない新事実だ。
ちなみにこの『The Design of Everyday Things』というのが「誰のためのデザイン?」の現代です。
まだ翻訳はされていないようなのですが、けっこうおもしろそう…。がんばってこっちを読んでみようかしら…
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