27.11.03

みんなのラグビー観戦講座(4)

他に書きたいネタもあったりするのですが、まずはこいつを一区切りさせねば…。
と、いうことで、4回目。今回は“タッチ”と“ラインアウト”からです。

■ まずは“タッチ”について
さて、前回も書いた通り、ボールがタッチラインの外に出ることを“タッチ”、その後ボールをいれるプレーを“ラインアウト”と言います。
タッチに出たら、“通常”ボールが出た地点でラインアウトとなります。この“通常”っていうところがミソ。
実はつねにボールが出た位置ではないのです。
蹴ったボールが、一回以上グラウンド内(ちなみにタッチライン上はタッチなので、このラインより内側となります)に落ちてから出た場合は、基本的にタッチから出た(以降、“タッチを割る”と表現します)地点でラインアウトになります。
しかし、直接タッチを割った場合、ボールを蹴ったプレイヤーの位置によって変わってきます。
ボールを蹴った位置が、自陣の22mラインより内側(ゴール寄り)から蹴った場合、タッチを割った地点(タッチラインを超えた地点)でラインアウトとなりますが、22mラインより外側(ハーフウェイライン寄り)で蹴った場合は、ボールを蹴った位置でのラインアウトとなります。これを“ダイレクトタッチ”という言い方をします。ただし、ペナルティ(重い反則です)から直接タッチを狙った場合については、22mラインの外側でもボールが出た位置になります。
タッチラインの横には“タッチジャッジ”という、タッチラインを見ている審判がいます。このタッチジャッジが旗を頭上に普通にあげた場合は、タッチを割ったことを意味し、旗をあげて立った位置でラインアウトになります。上記の“ダイレクトタッチ”の場合、タッチジャッジは、まず旗を頭上で横にして持ちます。そして、あらためてラインアウトの位置(この場合、ボールを蹴った位置)に戻り、旗を頭上に普通にあげます。
それから、キックでタッチを割った場合について書きましたが、ボールを持ったプレイヤーがタッチラインを踏んだ(あるいはタッチラインの外に出た)場合もタッチを割ったことになり、ラインアウトになります。
■ ラインアウト
さて、タッチを割った場合、ラインアウトでボールをいれることはすでにふれました。
では、どっちのチームがボールを入れるのでしょうか?
基本的には、ボールを出したチームと反対のチームがボールを入れます。ただし、例外的にペナルティーからのタッチの場合は、蹴ったチームのボールとなります。
タッチジャッジはラインアウトの位置で、旗を頭上にあげると同時に、ボールを投げ入れるチーム側の腕を水平にあげます。ですから、タッチジャッジの仕草を見れば、どちらがボールを入れるチームなのかがわかります。
ラインアウトは、タッチの位置からゴールラインに平行に両チームのメンバーが並び、並んだ中央にまっすぐ(並んだラインと平行に)投げ入れなければなりません。これを自分のチーム側や相手チーム側の方に向かって投げ入れた場合、“軽い反則”になり、相手ボールのスクラムとなります。(厳密には選択制なのですが、通常スクラムを選択します)
日本のラグビーの試合で、よくこのラインアウトで「さん、はち、ごー、さん!」とか言っているシーンがありますが、これはサインで、ボールを投げいれるプレイヤーが、どの位置にボールを投げ入れるか、サインで味方に教えているのです。
ラインアウトに並ぶプレイヤーの人数は、投げ入れる側が決めてかまいません。相手チームは、投げ入れる側の人数以下の人数とする必要があります。また、ラインアウトで並ぶ際、相手との距離とかプレイヤー間の距離なんかもルール上決まっていますが、プレーをするならともかく、観戦するだけなら、それほど重要ではありませんので、ここでは割愛します。
それから、ラインアウトに参加しないプレイヤーは、タッチからボールを投げ入れる(仮想の)ラインから、15m下がらなければいけません。
これは、両チームともです。ラインアウトが終了する(ラインアウトが解消される)まで、この位置より前に出ることはできません。
■ ラインアウトはいつ終わる?
ラインアウトは、ボールがラインアウトに並ばずに後ろで待っているプレイヤーに渡された時、ラインアウトは解消します。
では、ボールをキャッチしたプレイヤーがつかまって、モール状態となった場合はどうなるのでしょうか?
もちろん、モールからボールが出れば解消となるのですが、このモールが動いて、どちらかのモールに参加している最後尾のプレイヤーの足が、タッチからボールを投げ入れるライン(タッチジャッジの位置)を超えた場合もラインアウトは解消されます。
ラインアウトが解消された場合、タッチジャッジはあげていた旗をおろします。また、レフェリーはボールが投げ入れられると腕を横にあげたりしますが、ラインアウトが解消されると、この腕をおろします。ですから、後ろに並んだプレイヤーはこれらのジェスチャーを見ながら、前に出ます。観戦する際も、レフェリーやタッチジャッジを見れば、解消のタイミングがわかります。
■ ノックオンとスローフォワード
さて、ラインアウトからボールが後ろに並んだプレイヤーに渡されました。
第2回にも書きましたが、ボールを前にすすめるためには、持って前に出るか、キックするしかありません。前にボールを投げることはできません。
しかし、ボールを渡そうとしたプレイヤーとの息があわず、微妙に前に投げてしまった…この場合、“スローフォワード”という軽い反則になります。
また、投げたボールを前に落とした場合、“ノックオン”となり、やはり軽い反則になります。
��本当はこの反則はもっと前に書かないといけなかったような気がしますが…)
これら(スローフォワードとノックオン)がわかりにくいというコメントを、別のエントリでいただきました。
確かに、「解説者がスローフォワードと言っているけど、前には投げてないんじゃない?」とか「下にあるボールをとりそこねただけなのに、ノックオンになるの?」といったことがあると思います。
結論から言うと、これはレフェリーがそう判断したらそうなの!ということなのです。
レフェリーの位置によって、真横に投げたはずのボールがスローフォワードとなることもありますが、それはそれとして、判定には従わなければなりません。ノックオンも同様です。
ノックオンについては、ボールの拾い上げのミスやキャッチミスで真下に落とした場合、下にあるボールにちょっと触って前にころがったなど、明確に後ろに落とした場合以外は、ノックオンをとられる場合が多いと思います。
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さて、こんな感じでゲームは進んでいきますが、ラグビーにもサッカーと同様に“オフサイド”があります。
この“オフサイド”が、ちょっと面倒くさいことになっていて、おそらくこれがラグビーを難しいと言わしめている原因ではないかと私は思っています。
次回は“オフサイド”について、説明したいと思います。
��もし、本稿で誤り等、お気づきの方がいらっしゃれば、コメントお願いいたします。また「こういう場合はどうなるの?」と言った質問も大歓迎です!>

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