今まで5回にわたって書いてきました「観戦講座」。いよいよ最終回です。
最終回は「その他の反則とレフリング」です。
■ その他の反則
今までの説明の中でふれられなかった反則を少しだけ。
オブストラクション
これは、“相手の邪魔をする”プレーです。
いろいろなパターンがありますが、主にはオフサイドのプレイヤー(昨日ふれたように、ボールより前にいるプレイヤー)が、ボールを持ったプレイヤーとの間に入り、タックルの妨害をしたりすると、この反則となります。これは“重い反則(ペナルティー)”です。
危険なタックル
守備側(ボールを持っていない側)は、ボールを持っているプレイヤーをタックルで止めようとしますが、この時、首付近から上にタックルに入ったり、相手に腕を回さずに体(肩)だけであたりに行ったりすると、危険なタックルと見なされて反則となります。これも“重い反則(ペナルティー)”です。
もうひとつ。キックしたプレイヤーに、キック直後の不安定な状態でタックルに入ったりした場合も、ペナルティーになります。
ノット・テンメーター
ペナルティーを犯したチームは、ペナルティーを取られた地点から10m下がらなければなりません。下がらないうちにプレーをしてしまうと、この反則をとられ、またペナルティーとなります。ペナルティーをもらったチームが、すぐにボールを軽く蹴って攻撃するシーンが見られますが、この時、ディフェンス側がこの反則をしてしまうことがよくあります。
■ アドバンテージルール
今まで、いろいろな反則の話を書きましたが、ラグビーには“アドバンテージ”ルールというのがあり、実際は反則を犯しても、すぐにその反則をとられることはありません。(ただし、“危険なタックル”のような場合は、レフリーの判断により、すぐに反則をとる場合もあります)
これは、反則が“軽い反則”でも“重い反則”でも同じで、まずは様子を見ます。様子を見ているうちに、反則を犯したチームの相手チームに有利な状態でプレーが進むと、その反則をとらずに、その後もプレー続行となります。この、レフリーが様子を見ている状態を、“アドバンテージを見る”と言います。
ちなみに、このアドバンテージを見てる状態の時、レフリーは反則された方のチーム側の腕を横にあげます。この状態でプレーを見て、有利にならなかった(アドバンテージがなかった)場合、笛を吹いてプレーを止め、反則のあった地点で、それぞれの反則にあった指示をします。
逆に有利になった(アドバンテージがあった)場合、レフリーは横にあげていた腕をおろします。つまり、レフリーが腕をあげている間は、アドバンテージを見ている状態となるわけです。プレー中に、レフリーが腕を横にあげたら、それは何らか反則があったということですから、注意が必要です。
■ イエローカード(シンビン)
サッカーのように、ラグビーでもイエローカードが導入されました。これは、危険なプレーや、再三にわたるレフリーの注意があったにもかかわらず、同じ反則を繰り返す場合などに出され、出されたプレイヤーは、10分間の退場になります。イエローカードを出すか、注意だけにとどめるかは、レフリーの判断にまかされています。
ちなみに、一発退場のレッドカードもあるようです。
■ レフリング
イエローカードや、ノックオン/スローフォワードの時もふれましたが、ラグビーではレフリーが非常に重要な役割を果たします。レフリーの判定次第で、大きくゲームが傾くこともしばしばです。
最近、TV中継でレフリーにマイクをつけて、レフリーのしゃべっている声が放送されるようになりましたが、レフリーは単純に反則をとるだけでなく、ゲームをうまく進めていくために、注意をしたり、指導をしたり、熱くなっているプレイヤーをなだめたりと、プレイヤーといろいろ会話をかわします。これにより、プレイヤーもレフリーがどういうところを注意しているのか、どういう場合に反則を取るのかという、レフリーの“くせ”のようなものをつかみます。
“うまい”レフリーは、ゲームの流れを大事にし、微妙なプレーの場合は反則をとらずに流したりします。他のスポーツ以上にレフリーの“うまさ”で試合がおもしろくなったり、おもしろくなくなったりするところも、ラグビーのおもしろいところかもしれません。
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以上で、この連載を終了したいと思います。
まずは、読んでいただいた皆様、ありがとうございました。
ちょっと見直すと、説明の順番とか、用語の使い方とか、説明の仕方とか、さまざまなところで読み苦しいところが多々あったことと思います。
もっと、図を入れたりすれば、わかりやすいところもありますが、今回は文章のみの説明としてしまい、わかりにくいところも多かったように感じています。
さらに、本当はもっと簡単に説明しよう、細かいところははしょって…と考えていたのですが、気がつくと細かいことまで書いてしまったりして。
いろいろと不備があったところは、時間を見て、別な形でまとめたいと考えています。(いつになるかわかりませんが…)
今回の連載を見ていただき、ちょっとでもラグビーに興味を持っていただき、TV中継やグランドに足を運んでいただければ幸いです。
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