21.4.04

Bulls vs Chiefs 〜ビデオレフリーの功罪〜

昨夜、JSPORTS 3で「ブルズ vs チーフス」を観戦。
試合は、若干ミスも目立ったように思うものの、なかなかおもしろかった。が、ちょっとビデオレフリーについて考えさせられた。

試合の方は、ブルズ、チーフスともねちっこいディフェンスで、両者ともボールをキープするものの、なかなかゴールラインを割ることができない展開が続く試合という印象。特に、チーフスのねちっこさが目立ったように私には感じました。
結局、チーフスが27−34と競り勝ち、見事な5点勝利。ブルズは負けたものの、勝ち点1点をあげた試合でした。
この試合、実は最後にドラマがありました。
後半40分。ブルズはなんとか同点にしようと、最後の攻撃を行います。そこでチーフスが痛恨のペナルティー。放送画面の時計は、この時40分を超えていましたが、どうやらスタジアムの時計はまだ数秒残っていたようで、ブルズはタッチキックでチーフス陣内5mでのラインアウト(左タッチ)と選択しました。
ブルズはラインアウトをきっちりキャッチ。ポイントを作りながら、右方向へFWで攻めていきます。
そして、左中間から出たボールをBKへ展開。
ブルズの11・メンツがボールをうけてゴールラインへ。
おっ!これでトライだ!と思われた瞬間、チーフスの9・ケラハーが猛烈なタックル。
そして、さらにチーフスの選手もかけつけ、もつれるようにゴールラインへ。
ここでビデオレフリーとなりました。
しかし!
何度ビデオを見ても、グラウンディングされているかどうかはわかりません。
なんと、ビデオを一カ所を拡大する装置(解説の藤島大氏いわく、南アの技術の粋を集めた装置)を使ってみますが、よくわかりません。
なんと、判定が決まるまで3分近く待たされた上、出された結論は「トライならず」。
そしてここでノーサイドとなりました。
ワールドカップでも使われたビデオレフリー。
確かに、レフリーの目だけでは判断できないものを、ビデオを使ってみることによって、より確実な判定ができるようになることは確か。そして映像を見ることによる納得性もあがるというところは、否定するものではありません。
しかし、ビデオレフリーのせいで、レフリーが判定しずらくなっているのではないでしょうか?
スーパー12でも、微妙なトライの場合、ほとんどビデオレフリーが使われます。
これは、本当にレフリーも判断に困る場合(今回のような場合)もありますが、いちおう確認しようか…という消極的な使い方をされているという印象をうける場合もあります。
もともと、ラグビーはレフリーの判定を信じてやるスポーツです。
ビデオがなかった頃は、すべてレフリーの判断にまかされていました。
それでも、プレイヤーも、観客も、時に納得できないことがあっても、納得するようにしてプレー、観戦してきたと私は思います。
厳密な判定というのも確かによいところもありますが、今回のように、変に時間をかけてもわからない…なんていうことがおこると、本当にビデオレフリーは必要なのか、という疑問を感じてしまいます。
変にビデオを見るよりも、笛を吹いているレフリーにすべてを任せた方が、むしろすっきりする場合もあるのではないでしょうか?
とは言え、おそらくそのうち日本でもビデオレフリーが採用されることになると思います。
あとは、レフリー次第なのかもしれませんが、是非、レフリーの質を上げて、安易にビデオに頼ることのない笛で、観客を楽しませていただきたいと、私は思います。

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